経済性について
- Q8.
- 道東・道北へのメリットはあるの?
- A.
北海道と関東以北の各地との所要時間が短縮されることで、今までなかったような広域観光が生まれる可能性があります。たとえば、空路で旭川空港に入り、当日は旭山動物園、あるいは美瑛・富良野などを観光し、翌日に札幌へ入り市内を観光して、その日の夜は函館で夜景を楽しむ、といったプランも無理なく設定できます。このため、北海道新幹線の存在によって道東・道北の観光が振興される可能性があります。
先進事例となる熊本県では、九州新幹線の全線開通により、熊本が単なる通過点となるという懸念に対応するために、「新幹線くまもと創り協議会」を設立し、新幹線効果を新幹線沿線以外のエリアも含めた県内11ブロック全体に行き渡らせるための各種事業・プロジェクトを進めています。同様の取り組みを北海道でも行うことにより、北海道新幹線の存在によって道東・道北の観光が振興される可能性があります。
そのほか、仮に千歳・羽田間の航空便が減少した場合、千歳では国際便や貨物便の増便が可能になるほか、羽田空港で空いた発着枠を道内の他の空港が利用できれば、道東や道北の産業振興にもつながると考えられます。たとえば、現在より小型の旅客機を利用する代わりに、羽田と道内各空港との発着頻度を増やすことによって、利用者の利便性は高まり、来道者増加が見込めるほか、航空会社にとっても空席が減少するなどのメリットが生まれると考えられます。
加えて、現在新幹線を物流に利用する方策も検討されており、これが可能になれば、道東・道北地域の各産業は物流コスト削減や納期管理、鮮度維持などの面でメリットを受けることになります。